心声 side I
…いったいどうしたんですか
最近、彼の視線をよく感じる。
まさかバレてるのではないかと不安に思う。
もし彼がこの気持ちを知ったら。
…正直恐怖を感じずにはいられない。
おそらくは軽蔑の目で見られるだろう。
だけど軽蔑されたとしても。
あなたを好きだと思う気持ちは止められない。
そんな簡単な想いではすまなくなっている。
ふとオセロ盤から彼に視線を移す。
彼は今はこちらを見ていなかったようで、
圧倒的な状況の盤面に視線を落としていた。
ホッとすると同時に少し残念にも思う。
困ったものだ。
目があえばまた気持ちが高ぶるのは
わかりきってるのに、視線を合わせてほしい。
どんなささいなことからでもこの感情は動きだす。
あなたが好きだ。
どうしようもなくても
あなたが彼女のものでも
あなたが僕を嫌いでも
あなたが好きだ。
あなたは、どんな気持ちで僕を見ているのですか。
嫌悪ですか 面倒ですか 煩労ですか
それとも、少しでも好意を持ってくれますか。
持っていてくれますか?
…もしも。
万が一にもないだろうけど、もしあなたが僕と同じ感情を持っていてくれたら。
本当なら嘘をついてでもあなたの気持に応えてはいけない。
…でも、そんなことできるわけがないほどに。
これがせめて2、3か月でも前ならまだ辛くても振り切れたかもしれない。
でも今はもう無理だ。
時間がたてばたつほど、
同じ時間を過ごせば過ごすほど
あなたを好きになっていく。
あなたが好きです。
「なあ、古泉。」
「…はい?」
突然声をかけられ、オセロを持つ指が硬直した。
幸い落とさずには済んだけど。
「なんでしょうか?」
必死でいつもの笑顔を作りだす。
それを見た彼は少し苦笑する。
緊張しているのがバレているのか?いや、まさかそんなことは…。
「あとで、話がある。」
そう言って彼は見たことのない笑みを見せた。
いけない、期待する。
しちゃだめだ。
しちゃだめだ。
「…たぶんお前の期待してる話になると思うぞ?」
え?
その数時間後、僕の世界は一変することになる。
などと。
たぶん神様も知らない。
To be Continued…
遅くなりました、テレパスキョンくんの古泉サイド。
とはいってもあまりテレパス設定意味はないんですが。
意味を持たせるとまたくらーい話に私がするので、
まあこのへんで(笑)
それにしてもどうしてこうヘタレなんでしょう古泉君。
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